卒業生スペシャルインタビュー|神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校 音楽・ダンス・俳優・声優
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SPECIAL INTERVIEW

上達しない自分が嫌いになる瞬間があっても気がついたら
また楽器の前に座ってしまう、そんな人と現場で会いたいですね

Nissy、Mrs. GREEN APPLE、EXILE TAKAHIROなど、ドーム/アリーナクラスで活躍するアーティストを支えるドラマー、神田リョウさん。
定評のあるテクニカルなドラミングはもちろん、プライベートレッスンでの後進育成、プロドラマーを現場でサポートするスーパーバイザー、ダンスに料理にキャンプ……とにかくマルチな神田さんですが、koyoでの出逢いと学びが今も現場で生きているそうです!

[ドラマー] 神田 リョウさん

レッスンで未だにkoyoの素材を使うときがありますよ、内緒ですけど(笑)

2022年、神田さんは多忙を極めてますね。

お陰様で。もうツアーが何個重なっているのかもわからないくらいで(笑)。ツアーファイナルを迎えたと思ったら、その手前でまたツアーが始まり……。このインタビューを受ける直前は、1週間で4回くらい名古屋に行ってました(笑)。

そんな神田さんのドラムを始めたきっかけは?

初めて出した著書「神田式一生使えるグルーヴのレシピ」のインタビューを読むと詳しくわかるんですが(笑)、もともとダンスをやっていて、小学校ではヒップホップ、中学ではブレイクダンスなんかを踊っていたので、プロダンサーになりたいと思っていたんです。当時は(プロダンサーに)どうやったらなれるかわからなくて、アイドルになりたかったわけじゃないけど、ダンサーの活躍する場所=ジャニーズ事務所に所属していて、たくさんの先輩達のバックダンサーとして踊っていたんですよ。そこであるときTOKIOの後ろで踊らせてもらうことがあって、松岡(昌宏)君のドラムの横で旗を振ったりしていたんですけど、“あの楽器、カッコいいな”って思ったんです。それから今の関ジャニ∞メンバーでのライブで叩いている先輩ドラマーも気になったりして……ドラムという楽器にすごく惹かれたんですよね。で、全寮制の高校に進学するタイミングでジャニーズJr.を自発的に辞めてドラムを始めました。ダンスは一流の現場でたくさん踊らせてもらったので、わりと満足感があったんですよね。

軽音楽部などの部活動でドラムを始めたんですか?

学校でドラムを叩ける唯一の部活動、ビッグバンド部に入ったんです。そこでジャズの基本を学んだんですけど、“4ビート?あのとき松岡君やってたかな?”とか思っていました(笑)。まあでも“これもドラムか”と思って、ビッグバンドの曲を演奏したり、たまに学外でロックを叩いたりしていました。高校でジャズドラムを学んだこともあって、当時からジャズに強かったkoyoへと進学した背景はありますね。

数ある専門学校や音大の中からkoyoを選んだ最大の決め手は?

いろいろな音楽学校の資料を取り寄せたんですけど、学校紹介のパンフレットに載っている先生のプロフィールや卒業生の進路、そしてバークリーの提携校であることとか、個人的な印象ですけど、koyoって“強そう”だったんですよね(笑)。あとは僕の地元から通えるというのもありました。

学校のオープンキャンパスには行かれましたか?

夏休み中に行きました。当時のことを鮮明に記憶しているわけじゃないけど、ずーっと練習している生徒が誰かしらいたのは覚えてますね。今考えたらめちゃくちゃストイックだなと思うんですけど、僕もかなり練習するタイプだったので、そういうところも自分に向いている学校だなと思いました。

実際に入学してどうでしたか?

ドラムの師匠、多田明日香先生に「君達が今まで覚えてきたことは全部忘れてもらうから」ってすごいこと言われました(笑)。でも、そういう愛のある厳しさは僕にとってすごく良かったと思っています。

授業で覚えていることは?

公私共に面倒みてもらったのは、師匠の明日香さんなんですけど、松田“GORI”広士さんや渕雅隆さん、江森文男さんとか、ドラム科の先生はみんなキャラが濃かったですね(笑)。今考えてもめちゃくちゃ上手な先生ばかりで学生時代は本当に驚きました。GORIさんはよくみてもらっていたときがあったんですけど、基礎練習が“こんな難しいメニュー、どこから探してきたの!?”ってくらいエグいんですよ(笑)。そのときやっていたことを自分なりにアレンジしたのが、著書の「神田式~」に載っている「#おかわり1グルーヴ」のエクササイズなんです。自分がプライベートレッスンをやるとき、未だにkoyoの素材を使うときがありますよ、内緒ですけど(笑)。

(笑)。そうやって共に育った神田さんの同期は今、プロミュージシャンとして、さまざまな現場でご活躍されていますよね。

Nissyで一緒の堀井慶一は、まさにkoyoでの同級生ベーシストなんです。彼とはkoyoを卒業してすぐ一緒に上京した仲なんですけど、その堀井君と一緒にドームツアーするというのは感慨深いですね。あとは学生時代、堀井君とやっていた“伝説のトリオ”でピアノを弾いていた渡邉悠太君も今、平井大君のサポートをやったりと大活躍中です。3人が同じプロミュージシャンとして活躍できているのはうれしいですね。忙しすぎて全然会えないですけど(苦笑)。

メタバース、リアルの世界でのライブ
ぜひ自分の得意なフィールドを見つけてほしい

プロの現場で学んだもの、日々成長を感じることってありますか?

個人練習して技術が向上するというのはもちろんありますけど、現場で成長を感じること方が多いですね。やっぱり現場で自分に求められているものを返さないといけない責任が自分に火をつけているようで、多分(現場が続いている)今が一番上手になっている気がするんです。うまくなっているというのは技術ではなく、“音をバランスさせる力”……音楽へのフィット感みたいなもので、1人だと絶対に身につかないんですよね。アンサンブルする機会が多くなればなるほど音楽のバランス感が見えてくるし、取れるようになれると思います。

そういう未来を学生時代からイメージしていました?

プロドラマーになりたいとは思っていましたが、今みたいな人生を送りたかったかというと、正直想像できなかったです。プロドラマーの人生なんてわからないじゃないですか。いわゆる普通のサラリーマンの仕事って、定時に出社してデスクワークして、外回りの営業して……みたいな感じだと思うんですけど、プロドラマーって特殊な仕事だからよくわからなかったんです。何が正解かもわからない。とにかく自分がどんなふうにミュージシャンから求められるかってことを考えるしかなかったので、意識したのはそれだけですかね。活動していくうちに気がついたらカレンダーが全部音楽の仕事で埋まっていた……って感じです。他のミュージシャンがどうかはわからないですけど、僕はそんな人生です。やっぱりなってみないとわからなかったですね。

でも、ハードなスケジュールの中で神田さんはいつも楽しんでいますよね。

楽しいですよ!逆にここまで忙しいと、好きなことじゃなければ続かないんじゃないかと(笑)。昨日もライブが終わって夜走り……そのまま機材車で名古屋から東京に戻りましたし。そんなハードスケジュールでもバンドメンバーと一緒だと楽しいですし、もちろんライブ自体もすごく楽しんでやっています。“やりたくないけど無理して頑張る”はしんどいですけど、本当に好きなことだったら“もうちょっといける!”ができますよね。

サポートされているアーティストで印象に残っているエピソードを教えてください。

すべての現場が楽しくて、全部のアーティストにエピソードがあります(笑)。例えばNissyは、「どうしようか?」という曲でデビューしたんですけど、僕はデビュー当時から叩いてて、どんどん規模が大きくなっていき、アリーナを経てドーム……感慨深いですね。Nissyの東京ドーム公演は、僕の1つの夢(東京ドームで演奏すること)でもあったんですけど、それを叶えることができたアーティストがデビュー当時から参加していたNissyで……。感謝ですね。

ドーム公演は5万人の前で叩くわけですけど、その景色は……。

いやもう会場がデカ過ぎて5万個のツブツブですよ(笑)。ドラムは動けないですし、後ろですからね。お客さんがペンライトを振ってくれるとすごく綺麗で、今はペンライトがコンピューター制御されているので、いろいろな色をアサインして大きなイラストになったりするんですけど、ステージからすごく綺麗に見えて感動しますよ。

ドームとは逆のライブハウスのステージも神田さんは数多くこなしていますよね。

お客さんの顔がちゃんとわかるし見えるから、ドームより緊張します(笑)。ステージの広さもありつつ、でも前列のお客さんの顔がしっかり見えるZeppくらいの規模感が一番緊張しますね。

神田さんはプレイヤーとしてではなく、Novelbrightのねぎさんのドラムテックやチューナー、プレイベートレッスン、さらにはサポートされているMrs.GREEN APPLEで、スーパーバイザーもやっているんですよね。

Mrs. GREEN APPLEではドラムも叩くんですけど、この秋ツアーで叩いているクラカズヒデユキ君のサウンドメイクや演奏面をサポートするスーパーバイザー的なこともやっていて。できることは何でもやろうと思っているので、ありがたいですね。

最後にプロドラマーを目指す学生達にメッセージを!

「本当に大変なことが多いから止めておけ」と言ってもまったく聞かずに、ただどうしようもなくドラムが好きな人だけが続く世界だと僕は思っているので、そういう人と現場で会いたいですね。ドラムが上達しない自分が嫌いになる瞬間があっても気がついたらまた楽器の前に座ってしまう……みたいな。ただ今は時代の過渡期。どんどん環境が変わっていて、いろいろなメディアが出始めているし、SNS然り、自分のアートワークをアウトプットする方法がものすごく多様化しているじゃないですか。メタバースとかリアルの世界でライブをやることだけが活躍の場だけではなくなっているので、ぜひ自分の得意なフィールドを見つけてほしいですね。

1987年生まれ、兵庫県出身。幼少期よりストリートダンスを嗜み、高校時代、ビッグバンド部入部を機にドラマーへと転向。SNSでの動画投稿企画、#一日 一グルーヴ、#一日一バイブスで話題を集める(現在も気まぐれに更新中)。近年は、Mrs.GREEN APPLE、Nissy、EXILE TAKAHIRO、BoA、Dream Ami、DEEP、ORANGE RANGE、aiko、美川憲一、織田哲郎、相川七瀬、 坂口有望、井上苑子、WHITE JAM、claquepotなど、多岐に渡るレコーディ ング、サポートドラマーを担当。場末のジャズバーからスタジアムまで、各地を飛 び回る幅広い活動を続けている。会員制オンラインレッスン「神田式ゆるふわドラム塾オンライン」も主宰。2022年9月に自身初となる著書「神田式 一生使 えるグルーヴのレシピ」(リットーミュージック)を上梓した。

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