照明スタッフは、ステージやイベントなどで照明を用いた演出を行う人のことを指します。
活躍の場は幅広く、コンサートや演劇、テレビや映画の撮影現場、結婚式やファッションショーなど様々です。

照明スタッフの活動スタイル

• 公共のコンサートホールやテレビ局、照明専門の制作会社などで働く
• コンサートやライブ、結婚式やファッションショーなどのイベント時だけアルバイトで働く

特別な資格などは必要ありませんが、舞台芸術や照明について学べる専門学校や大学を出て、制作会社やイベント会社、テレビ局などに就職する人が多いようです。

舞台監督やディレクターと打ち合わせをしながら使用する照明の機材や内容を決め、場の雰囲気を盛り上げたり、出演者の魅力を最大限に引き出すためのライティングを行います。

大掛かりな照明機材を使う場合は、照明のプランニングを行うプランナーと、機材を扱うオペレーターでチームを組んで仕事をします。

光や電気に関する知識はもちろんのこと、芸術的なセンスや高いコミュニケーション能力が必要とされる職業です。

照明スタッフの一番の醍醐味は、照明のプランニングです。

公演内容に合わせて照明のイメージを考え、当日に自分がイメージしたとおりの明かりができたときは、なんともいえない達成感があります。

本番が順調に進んで終演し、演者やスタッフから「今日の明かりは良かったです」と言ってもらえたときが一番の喜びで、何よりの励みになります。

光の使い方次第で演出の全てが変わってくると言っても過言ではないほど、照明スタッフの役割は大変でもあり、とてもやりがいのある職業だと言えます。

照明スタッフになるために、特別な資格や免許などは必要ありません。

就職するにあたって学歴は関係ありませんが、一般的には、舞台芸術や照明に関して学べる専門学校や大学を卒業してから就職を目指す人が多いようです。

また、機材の扱い方から光や電気に関する知識など、非常に専門的なスキルが求められる職業なので、アルバイトや契約社員などで見習いとして働き、ある程度の経験を積んでから就職試験を受ける人もいます。

就職先によっては、公益社団法人である日本照明家協会が行っている「舞台・テレビジョン照明技術者技能検定制度」の資格保持を条件にしているところもあります。

就職したいと考えている企業の募集要項をしっかりチェックするなど、早い段階からやるべきことを計画的に考えておきましょう。

照明スタッフに欠かせないのは、まず第一に豊かな感性です。

照明のプランニングをする際には、演劇や音楽などの制作者の意図を汲み、出演者が最も輝くようなライティングを作り出さなければなりません。

オペレーターとして照明機材を操作する場合も、演劇の場面転換や音楽の転調のタイミングに合わせてセッティングを変えることになるので、演出を理解できる能力が必須です。

もともと舞台を観たりコンサートやライブを聴きに行くことに興味を持っている人なら、その感性や経験を十分に活かすことができるでしょう。

近年、照明や映像の技術は大きく進化し、照明スタッフの仕事の幅も広がっています。

照明をコンピューターでコントロールすることで、より多彩な演出パターンを組み込んだ自由な表現ができるようになりました。

また、建物の壁に立体的な映像を映し出す「プロジェクションマッピング」という技法が確立されるなど、映像・音楽・照明を組み合わせた新しいショーのスタイルも増えています。

その一方で、「省エネ」「節電」「エコ」が叫ばれる時代の中、LEDの照明器具を使用するなど、電力を無駄遣いしない仕組みや演出を考えることも求められるようになりました。

今後も様々な可能性が広がり、新たな課題も生まれていく照明の世界。そこで働く照明スタッフは、とても挑戦しがいのある職業と言えるでしょう。