スペシャル対談 世界で活躍する卒業生×在校生|神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校 音楽・ダンス・俳優・声優
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スペシャル対談 世界で活躍する卒業生×在校生

Koyoは、「好き」を見つけ
「強み」を追求できる場所。

バークリー音楽大学卒業後、アメリカで活動を続けるベーシスト・Moto Fukushimaさん。
2024年にはグラミー賞にノミネートされるなど、ジャズの聖地で存在感を放っています。「僕は計画性のあるタイプじゃないから」と笑いつつも、在校生たちの夢や悩みに、アニキのような優しく力強いコメントをいただきました。

スペシャル対談 世界で活躍する卒業生×在校生

2024年「第66回グラミー賞」カリフォルニア州ロサンゼルス クリプト・ドットコム・アリーナで開催された授賞式の様子。

スペシャル対談 世界で活躍する卒業生×在校生

「一番好きなフィールドで輝きたい」が
Koyoを選んだみんなの共通項だね

Fukushima
僕はKoyoからバークリー音楽大学に進んで4年間学び、今はNYで音楽活動をしています。もともと母親がピアノの先生をしていて、幼いころから音楽が身近にある環境で、まずはピアノに親しみ、ギター、ベースも始めました。音楽はずっと大好きで中学の時は「絶対プロになる」と宣言してたんだけど、高校生になってリアルに将来を考えはじめた時、いろいろと選択肢がある中で音楽を専門に学ぶか、あるいは普通に大学に進学するかでとても悩みました。そんなころ、バークリーと提携しているというKoyoの広告を見つけたんです。しかも学校が家の近所だったし、もうこれしかないと。説明会に行って話をお聞きして、「ほんとうに憧れのバークリーで学べる道があるんだ」と感激しました。それがKoyoを選んだきっかけのひとつですね。皆さんがKoyoを選んだ理由も聞きたいな。
近藤
高2の時に父親が使っていたギターをもらって自己流で弾いたり、好きなアーティストのライブに行くようになってからどんどん音楽への興味が生まれ、将来音楽でやっていきたいと考えるように。僕はずっとサッカーをやっていて、皆さんのように幼少期から音楽を学んできたわけではないので、今はKoyoで知識をしっかり身につけて、いろいろな楽曲を自分で書いて歌いたいなと思っています。
辰巳
私は中学高校と演劇部に所属していて、卒業しても演劇を続けたいと強く思っていました。ほかの専門学校や大学でも演劇を学べるところはあったんですが、Koyoは学校のある場所的に舞台に触れる機会が多いだろうと考えたのと、現役で役者をしているかたが講師として来てくださる点もとても魅力的でした。学校名の通り、学びの中で音楽もダンスも身近に感じられるというところが役者を目指す自分の強みになるんじゃないかなと、この学校を選びました。
高橋
Koyoに来る前は1年間ほかの音楽系大学に通ってたんです。訳あって大学はやめたのですが、子どものころから続けていたドラムを諦められなくて。いろいろな学校のオープンキャンパスに参加して音楽を続ける道を模索していました。Koyoに決めたのは、学生さんの雰囲気がどこよりもよかったのと、体験授業を受けた時に生徒一人ひとりにしっかりと寄り添ってくれたところ。ここで音楽を続けたい!と思いました。
有谿
音楽テクノロジー科で学んでいます。学生時代はジャズドラムをやっていて、高1の時に青少年対象のジャズキャンプに参加する機会を得ました。そのステージに流れていた映像が素晴らしくて心打たれ、映像のプロという選択肢もあるな、と。でもジャズも続けたくて、2つを両立できるKoyoに決めました。
Fukushima
さきほど僕自身のことも少し話したけれど、実は音楽の道に進む大きなキッカケになったのが、高2の時に体験した阪神淡路大震災なんです。実家が神戸の六甲だったので周辺被害も大きく、人生って何があるか分からないと痛感しました。それなら一番やりたいことをやりたい、後悔したくないなと。そして自分がやりたいことを消去法で考えた時に音楽しか残らなかった。そこが分岐点だったかなと思います。ですからいま皆さんから、一番好きなものを目指したい、あきらめたくないという気持ちが伝わって感動しました。

自分の強みを創ってくれた、
Koyoの実践的な学びに感謝しています

辰巳
自分のキャリアを振り返られて、成功のキーポイントみたいなものはありますか?
Fukushima
Koyoで2年間学んだあと、1998年から4年間バークリーで学び、卒業後にはアーティストビザという3年間有効な労働ビザを取得できたので、じゃあこのままアメリカにいるか、みたいな感じでNYに引っ越したのかな。そこからビザを何度か更新していくうちに仕事がつながって広がっていき、最終的には永住権を取得できたんで、今の拠点はアメリカです。とはいえ僕はあまり計画性のある人間じゃないんで、とりあえずご飯食べていかなきゃ、家賃払わなきゃ、だから仕事をしなきゃ、と、昔から目の前のことで手一杯だったんで、これが成功のカギ!ってものはないんだよね。でも強いて言うなら、「譜面を読むのが強い」ということかな。
辰巳
それはすごいです!
Fukushima
卒業してからも、「あいつなら譜面が読めるからどうにかなる」って周りに重宝された。次々と仕事の声がかかって、アメリカで生きていくうえで本当に命綱になったんです。そして譜面読みを叩き込んでくれたのがKoyoの実践的な授業だった。プライベートレッスンしかり、アンサンブルのレッスンしかり、とりあえず譜面が読めればなんとでもなるからって当時の先生がおっしゃってたんですけど、本当にそれは万国共通で正解だったと、卒業後何年もたってから実感できました。強みが生きる糧になったという感じだね。何か一つ、自分の強いところがあるのは大切なことだと思いますよ。
近藤
作曲するとき、メロディーで自分の音楽を表現することはすごく難しいなと思っています。どうしても何かに影響されたり、そっちに寄ってしまっているような気がして。自分の音楽、自分のメロディーを表現するときは意識されていることは何かありますか。
Fukushima
オリジナリティということだね。今は寄っちゃってもいいんじゃないかな。多分メロディーを作るポイントって、自分が好きか、歌いやすいか、伝わりやすいか、っていうことだろうけれど、逆に言うと、それってもうすでにこの世のどこかにあるものなのかもしれない。だからそんなに気にしなくていいですよ。好きなように作って大丈夫。ただ、それを下支えするために、いろいろ勉強したらいいと思います。理論を学ぶ、方法論を学ぶ、いろんな音楽を聴いてみるのもいい。そのうえで最終的なフィルターは「自分が好きか嫌いか」程度のざっくりした感じで、僕はやっているよ。
近藤
安心しました。
Fukushima
あとは、自分のバックボーンというところで言うと、バークリーにはいろいろな国からいろいろなバックグラウンドをもつ人が集まっていました。学生時代にアルゼンチン音楽を演奏する機会があったけれど、南米音楽って経験がないからよく分からない。でも、こういう音楽だよ、こうやって感じるんだよ、これ聴いてごらんって周りの人が教えてくれるうちにできるようになった。そうしたら今後はペルー人から仕事が来て。同じ南米だから大丈夫かなと思ってたら全然違う音楽なんだよ。だから一からやり直してそれをやりとげたら、今度はコロンビアの人が来て(笑)、みたいな感じでつながっていって。譜面が読める という強み以外に、南米の音楽もできるっていうのが僕の生存確率を上げてくれた。NYでも南米の音楽とジャズが両方できる人って、20数年前にはそんなにいなかったんですよ。ジャズと南米音楽をバックボーンにして、自分が曲を書くときもそこを個性にしていけました。僕は大学ですごく深くジャズを勉強したのでそれが自分のバックボーンであることは間違いないんですが、南米音楽はじめいろいろな音楽をひととおり何でも聴いて経験していくと、ぐるっと一周回った時点で、最終的にやっとフラットにいろんな音楽に相対せるようになった気がしています。だからまだまだ若いうちは、「自分らしさ」を考えすぎる必要はないと思いますよ。
高橋
ご自身が演奏されている中で、こういうドラマーがいたらいいな、こういうドラマーが好きだな、というところを教えてください。
Fukushima
むつかしいなあ。まずドラマーというか、一緒に音楽を演奏する仲間という部分では、「音の聴こえ方が同じ人」はやりやすいです。なんとなく聴こえ方が共有できている人とは演奏がしやすいね。ただ、聴こえ方が同じ人だけがいいのかというと、それも違う。聴こえ方が違っていても、それが逆に面白いっていうのもあるから、ほんとうに一概には言えないです。奥が深いよね。
有谿
スタッフ志望として僕もそれが気になります。ミュージシャンの立場から、スタッフに求めるスピリッツはどのようなものでしょうか。
Fukushima
演奏する立場からすると、「何も考えないで演奏できる環境」っていうのが一番ありがたい。僕はたぶん恵まれているんですよ、皆さんがきちんと仕事をしてくださっているから。僕らはスタッフの皆さんに本当に支えていただいています。感謝しています。
高橋
Koyo在学中にやってよかった練習とか、自分を伸ばしてくれたなと感じ
Fukushima
プライベートレッスンは先生と一緒に譜面を読んでいました。実践形式だったので、それはすごくありがたい機会だった。アンサンブルのクラスもいろんなジャンルの音楽に触れられたし、「全パートのことを考えて曲を書いてこい」みたいなハードな授業もすごくためになりましたね。今も同じだろうけど、当時もすごく実践的な授業でした。音楽でもダンスでも、プロとして活躍しているかたがそのノウハウを惜しみなく教えてくれたことは、僕の今に直結していますね。

ここでしか得られない学びを懸命に。
それがあなたの可能性を広げていく

Fukushima
皆さんが今どう頑張っていて、どんな夢をもっているのかぜひ聞かせてください。
高橋
私は今までジャズに全く触れてこなくて、どちらかというと苦手意識を持っていたんですけれど、Koyoに入ってから、みんなと一つになって一緒に作り上げる音楽っていうのにすごく魅力を感じるようになって、勉強中です。私はジャズができないから...って悩む時もあるんですけれど、でも楽しくセッションできたらそれでいいって思えるようになって、その心持ちになれたこともすごくよかったです。将来は人に影響を与えられるミュージシャンになりたいです。
Fukushima
慣れてないものをやる恐怖感って絶対あります。でも、そこを一つ乗り越えて前に進めたらいいよね。
有谿
スタッフ系はいろいろな現場実習に行く機会がとても多いんです。普段は見れない現場の裏側を見ることができ、こんな時はこうすればいいんだなということがだんだん分かってきました。学校の中だけでは吸収できない知識や経験を、現場で身をもって知ることができ、とても有意義です。
Fukushima
Koyo主催のイベントや、外部のプロモーダーに呼んでもらうイベントもあるようですね。それはすごいね。現場におもむいて、いろいろ実経験も積めて、これから楽しみですね。
有谿
はい。僕は自分の生まれた地域を魅力的に見せられるような映像を作れる人材になりたいので頑張ります。
近藤
Koyoで学ぶにつれて知識が増えてきて、教えてもらったことを自分自身でひとひねりして試すことができるようになりました。考える力が育ったのかなと思っています。あと、Koyoに入るまでは周りに音楽をしている人がいなかったのですが、ここではいろんな夢を持つ人がいて、授業でやる音楽とか人が好きだという音楽に触れる機会も多く、刺激になります。将来はシンガーソングライターとしてドームやアリーナのツアーを回ることと、何かを人に与えられるような音楽を作りたいなと思っています。
Fukushima
考える力っていい言葉ですね。演奏でもスタッフでも演劇でも、考えることってとても大切。例えば練習するときでも考えて練習する。言われたことだけじゃなくて、自分で自分のオリジナルなやりかたを考えるのも大切だと思います。まあ、あまり考えすぎるのも良くないけど、バランス取ってね。
辰巳
Koyoはグループ校共同で大規模な社会貢献ミュージカルを年1回開催していて、参加してみて大きな経験値になりました。今回そのミュージカルのキャストリーダーを務めているんですけど、技術的な学びはもちろん、人との接し方だとかスケジュール調整、時にはほかの人をカバーすることなども、こんな場じゃないと学べなかったですね。夢というところですが、私は2年生で、そろそろ夢を「目標」に変えなきゃいけないと思っているところです。一番近い「目標」は、在学中に朝ドラに出演することです。
Fukushima
ここでしかできない学びをしっかりと感じ取れているね。目標に向けて頑張ってください!皆さんの熱く真摯な思いを聞けて、本当にこれからが楽しみです。
では最後に、僕からこの業界を目指す人へのメッセージを少し。自分の将来を深く考えることも必要ですが、でも結局は自分のやりたいこと・好きなことを目指すのが正解だと思います。自分を信じて、好きなことを続けていってください。大丈夫、世界はあなた方の前に広がっています!
スペシャル対談 世界で活躍する卒業生×在校生

卒業生 [ベース奏者、作曲家]
Moto Fukushimaさん

PROFILE
バークリー音楽大学を首席で卒業。在学中にOutstanding Performer Award 受賞。自己のグループ House of Waters の GroundUp label/Verve Music レーベルから2016年にリリースされたアルバムは ITunesワールドミュージック部門で最高位2位を獲得。スポーツエミー賞受賞作品『ESPN E60』の音楽担 当。International Songwriting Competition にて3位入賞。ASCAP Plus Award 受賞。グラミー賞ノミネート作品『Dave Eggar, Gil Goldstein “Kingston Morning”』に参加。2023年、House of Waters 通算10枚目となるアルバム”On Becoming”が、第66回グラミー賞の最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム部門にノミネート。現在はNYを拠点に活動中。

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