小川慶太(SNARKY PUPPY)独占インタビュー|バークリー音楽大学提携校 神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校 音楽・ダンス・俳優・声優

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Interview

小川慶太さん 独占インタビュー

卒業生スペシャルインタビュー

第59回(2017年)グラミー賞受賞。
第62回(2020年)、第63回(2021年)も
ノミネートの経験を持つ
パーカショニストの小川慶太さんへ
独占インタビュー

初めて人前で演奏をしたときには「音楽を仕事にしよう!」って決めてました。

ーまず、小川さんの音楽との出会いから聞かせていただけますか?

僕の母親が歌うことが大好きだったんです。母親は飲食店をしていたんですけど、彼女の歌を聴くためにわざわざお店までお客さんが来るほど上手だったんです。あとは、ビートルズとかサイモン&ガーファンクルなんかも彼女は好きで聴いてたみたいで、自然と僕もそういう音楽を聴くようになりました。

ーそして、小学校の時にテレビで観たドラムソロに衝撃を受けたと。

頭を金づちで打たれたような衝撃でした。ドラムってすごく動物的な楽器じゃないですか。テレビから自分の感情を音で表現しているのが伝わってきて、自分もああいうふうにできたら楽しいだろうな、やってみたいなってすぐに思いました。

ーそんなドラムとの出会いがあって、中学校に入ってすぐにバンドを組みました。

はい。中学校を卒業するときに初めて人前で演奏をしたんですけど、それがすごく楽しかったので、「もう音楽を仕事にしよう!」ってそのときにはもう決めてました。

ーその後、高校に進学。そこでバークリー音楽大学の存在を知ります。

地元にあるライブハウスの店長さんが「こういう学校があるから行ってみたら?」って教えてくれて、色々調べているうちにバークリーと提携しているkoyoに興味を持ち、その方向に進もうと思うようになりました。

ー実際にkoyoへ進学し、卒業後は予定通りバークリーに入学するのかと思いきや、実はそうではありませんでした。

そうなんですよ。koyoの同級生はバークリーの奨学金をもらって留学する人が多くて、自分も最初はそのつもりだったのに、周りのそんな様子を見ているうちに自分のあまのじゃくな性格が出てきて、「なんか違うかな〜」と思って。それでどうしようか迷ってる時に東京のミュージシャンとの対バンの話があったので参加したんですよ。その時に観たパーカッショニストに衝撃を受けて、彼女がローディーを探してるという話を聞いて、自分がやらせてもらうことにしました。その後、東京に行ってローディーをやりながら日本のトップのシーンを見ているうちに、アメリカに行きたいという気持ちが再び強くなってきたので、1年半ぐらいでローディーを辞めさせてもらって、バークリーの奨学金試験を受けて合格しました。

ーバークリーはどんな大学なんですか?

レベルの高いミュージシャンが世界中からたくさん集まって来るのですごく刺激になるし、様々な文化交流もできるから視野が広がります。いい経験ができる大学だと思いますね。

ー全く知識のない人間からすると、バークリーと聞いて思い浮かべるのは映画「セッション」の世界なんですが。

さすがにあんな感じではないですね(笑)。ハリウッド映画だし、あれはけっこう大げさなので(笑)。でも、英語が喋れないと最初は苦労しますよ。

ーそうなんですね(笑)。小川さんはバークリーで学ぶだけでなく、卒業前の3ヶ月間をブラジルで過ごしたそうで。。

ボストンはブラジル以外で一番ブラジル人人口の多い街で、そういうこともあってかブラジル音楽を演奏する機会がすごく多かったんです。なので、せっかくだから違う国で音楽の勉強をしたいと思ったときにブラジルを選びました。向こうでも毎日ライブを観に行ったり、色んなレッスンを受けたり、毎日ブラジル音楽漬けでした。

行動に移さないと成功にはつながりません。学ぶこともたくさんある失敗も成功の一部です。

ー卒業後はどうされたんですか?

半年ぐらいボストンにいた後、ニューヨークに引っ越しました。

ーSnarky Puppyにはどういった経緯で加入されたんでしょう。

Snarky Puppyにパーカッショニストのジェイミーが所属しているんですけど、彼は僕のバークリー時代の先生だったんですよ。それで、僕の卒業前に彼がけっこう大きな仕事に僕を誘ってくれて、そのプロジェクトの作曲家が僕のことを気に入ってくれて、そこからまた違う仕事をするようになりました。ジェイミーは僕を色んな人につなげてくれたので、彼との出会いはすごく大きかったですね。Snarky Puppyのマイクと知り合ったのもジェイミーがきっかけなんです。

ーそうだったんですね。

とあるレコーディングに参加していたジェイミーから、「今から1曲叩きに来てよ」と頼まれてスタジオに行った時に、そこでベースを弾いていたのがマイクだったんです。その頃、マイクはまだニューヨークに住んでいなかったので、「じゃあ、ニューヨークに来たら一緒にやろうよ」っていう話を軽くしたのがきっかけで、その後いろんなプロジェクトで一緒にプレイするようになりました。

ーSnarky Puppyはどうやって今の地位を築いたんですか?

サウンド自体は元々よかったんです。知名度は低かったけど、ライブの本数がとにかく多かったので、地道な活動が大きかったんだと思います。ひとつ面白い話があって、初めてSnarky Puppyがグラミーを獲ったアルバムのレコーディングの前に、マイクは「俺らみたいな小さいレーベルのバンドは絶対グラミーは獲れない」っていう話をしてたんですけど、次の年に獲ったので「獲ってんじゃん!」って(笑)。

ーいい話ですね。

そこから彼はガラッと変わりましたね。バンドとしての知名度が上がって、同世代のジャズミュージシャンに希望を与えたと思うんです。小さいレーベルに所属して、10年近くツアーをして、そんなふうに彼が苦労していたことをみんな知っていたので、周りのミュージシャンに対する影響は大きかったと思います。

ーこうやって話を伺っていると、もちろん音楽的な実力があった上での話ですが、小川さんの場合は行動力の高さもすごく重要なファクターになっていますね。

行動力は大事ですね。行動しないと物事は進まないですから。たとえいいアイデアがあったとしても、それを行動に移さないと成功にはつながりません。失敗も多いですけどそこから学ぶこともたくさんあるし、失敗も成功の一部ですよ。

ー実力はあるのに芽が出ないまま終わってしまったミュージシャンも多いと思います。

いっぱいいますね。Snarky Puppyで一緒にやってる仲間は、ミュージシャンとしても人としても素晴らしいんです。ツアー中は他のメンバーと毎日顔を合わせるし、移動が多くて本当にしんどいので、人間性に問題があるような人間はいくらミュージシャンとして素晴らしくてもどんどん声がかからなくなって、そのうち仕事を失うようになる。そういうミュージシャンはレジェンドクラスにもいっぱいいたので、バランスが大事ですね。

ー小川さんはこれまで壁にぶち当たったことはありますか?

ありますよ。周りのみんなが上手すぎて(笑)。特に、学校だと教え方も含めてどうしてもテクニックに集中しがちなんですよね。若いときは一見派手な感じに惹かれて、最初はそこでレベルの違いに圧倒されるんですけど、音楽を作る上ではテクニック以外にも大事なことがあるんです。ドラマーだったらグルーヴがちゃんとポケットにハマって、シンプルだけどかっこいいグルーヴを叩けるとか。自分はそういうこともできてなかったし、そうやって足りないものがたくさんあることを実感したのが最初の壁でしたね。

ーそれを乗り越えるにはただひたすら練習するしかない。

ひたすら練習して、ひたすら吸収して、上手い人と一緒にたくさん演奏するしかないですね。

いろんなジャンルの学生たちみんなで切磋琢磨して、オープンマインドで人と交流してほしい。

ーこれから音楽業界を目指す方にアドバイスをするとしたら?

自分の好きなアーティストのライブをどんどん観に行って、生で吸収してほしいですね。そこで何が起こっているのか肌で感じることはすごく大事だと思います。僕の場合も、普通にブラジル音楽を聴くのと現地で実際に生活をするのとでは全然違ったので。行動して、生で感じるのがいいと思います。

ースタジオで練習ばかりしているのではなく。

練習もいいですけど、練習しすぎると煮詰まっちゃうんですよ。そんな時にどこかへ出かけたり、いろんな友達と演奏したりすることで得られるものは大きいと思います。一人で練習だけしても厳しいんじゃないですかね。僕はkoyoで大切な基礎を学びましたが、ほとんどスタジオで練習しなかったですから(笑)。多分、学校で一番、外でライブをやっていたと思います。

ー小川さんは、自分の好きなことを仕事にする素晴らしさをどういうところに感じますか?

ミュージシャンとしての仕事をずっと続けていくことってすごくチャレンジなことじゃないですか。特に何の保証があるわけでもないし、どこまで続けていけるかも分からないし、この世界にいる人なら誰でもそういう不安はあると思います。それでも自分の好きなことをクリエイトし続けることができる環境に身を置ける喜びは、会社で働いている人には多分味わえないものですよね。

ー確かにそうですね。

それに、会社だったら社長と社員っていう上下関係がありますけど、僕らの場合は、例えば僕は今、Snarky Puppyのバンドリーダーに誘われてここにいますけど、もし自分のプロジェクトを始めたとしたら、今度は僕がバンドリーダーとしてメンバーを雇う、言わば社長になるわけです。そういう関係性って他の職種と比べるとすごく変わってる。すごい速さでいろんな人たちと会って、いろんなところへ行って演奏する。それってすごく面白いし、魅力的なこと。最高なんじゃないですかね。

ー最後に、新校舎で学ぶことになる学生へのメッセージをお願いします。

いろんなジャンルの学生たちみんなで切磋琢磨して、素敵な学校にしてください!

ー自分の周りだけではなく、学校にいる様々な学生と交流することは大事ですよね。

大事ですね。Snarky Puppyのマイクはその点に関してはプロですよ。自分の持っているものと相手の持っているものをいい形でシェアしながら、それをどんどん大きくして、いいチームを作っていくのはすごく大事なことだし、自分の音楽の芯を作る上でも重要です。狭い世界の中だけではなかなか可能性は広がっていかないので、オープンマインドで人と交流してほしいですね。

卒業生/パーカッショニスト
小川 慶太さん

Profile

82年生まれ。長崎県佐世保出身。koyoを卒業後、CHEMISTRYなどのバックバンドとしてTV&CM出演や、さまざまなアーティストのライブ、レコーディングなどに参加。バークリー音楽大学へ入学するため渡米。卒業後、ヨーヨー・マ、アサッドブラザーズ、クラリスアサッドなど、世界のトップアーティストたちと共演する。第59回グラミー賞 最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞バンド、スナーキー・パピーや、報道ステーションのテーマソングを担当するJ-Squadのメンバーでもある。ニューヨークを拠点に、世界を舞台に活躍中。

「J-Squad II 」
J-Squad
レーベル:ユニバーサル ミュージック

テレビ朝日系『報道ステーション』のテーマ曲を手掛ける今話題の人気ジャズバンドのセカンド・アルバム。

「Culcha Vulcha」
スナーキー・パピー(Snarky Puppy)
レーベル:ユニバーサル ミュージック

第59回グラミー賞「ベスト・コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム」受賞アルバム。

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