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Suspended 4th ギター・ヴォーカル
Kazuki Washiyama (鷲山 和希さん)

初対面の人とも音で対話できる楽しさを知ったのはkoyoのおかげ。

圧倒的なクオリティの路上ライブから火がついた4人組ロックバンド、Suspended 4th。
そのフロントマンであるKazuki Washiyamaさんはkoyoでの経験が大きな転機になったそうです。

高校の担任の先生がハードロックを教えてくれた
その人がいなかったらバンドをやってなかったかも

初めて本格的に演奏した楽器は三味線だそうですね。

母の実家にたまたま三味線があって、触ってみたいと思ったのが最初です。それで10歳の頃、地元にいた有名な三味線弾きの先生について習い始めました。学校に入るくらいまで続けましたね。周りの奴らがギターとかをかじり始める中、「俺はあいつらとは違うぜ」みたいな(笑)。その先生には結構気に入られて、営業に連れて行ってもらったりしていたんですけど、中には有名スポーツ選手の祝勝パーティーなんかもあって、今思うと貴重な経験でした。

そして、高校校時代にロックにのめり込んだと。

当時はずっと野球もやっていて、高校も野球が盛んな学校に進んだんですけど、ちょっと波長が合わないなと思っていたところ、たまたま自分のクラスの担任が若い音楽の先生で、ハードロックがメチャメチャ好きな人だったんです。個人的にも仲良くなって、1970~80年代のハードロックをたくさん聴かせてもらって。それまでは周りの奴らと新しめのオルタナティブとかを普通に聴き合う感じで、いわゆるクラシックロックは耳に入ってもピンと来なかったんですけど、先生のおかげでどんどん染まっていきました。その人がいなかったらバンドをやっていなかったかもしれないくらい、影響力のある先生でした。

ギターを始めたのはいつから?

中学生の頃、野球部でDrumManiaが流行って、俺が一番上手かったんです(笑)。これはたぶんドラム叩けるぞと思って、実はギターより先にドラムセットを買って、家で叩いてました。その延長線上で、三味線やってるくらいだからギターも弾けるんじゃね?と思って始めたんです。でも当時は大して弾けなくて、高校に入ってからもメインはドラムでした。ドラマーを募集している社会人バンドをネットで探して……当時はドラムの方が楽しかったので、スタジオに入る口実が欲しかったんです。メロコアバンドで、テンポ240くらいの2ビートを叩いてましたね(笑)。ギターはそれと並行して、高校の音楽の先生に教えてもらったり、ネットや雑誌の記事を見たりして練習していました。

知識はなくてもセンスはあると過信していた
そんな自分をkoyoがちゃんと挫折させてくれた

koyoに入学したいきさつを教えてください。

高校生の頃からオリジナル曲を作り始めていたんですけど、発表する場もなかったので、曲の頭から最後まで作りきれなくて、パーツをたくさんストックするだけみたいな状態だったんです。もちろん楽譜も読めないし、コードもキーもスケールも分からない。ただ、センスはあると過信していたので(笑)、そこに知識の裏付けをつけたいと思ってkoyoに進みました。他にもいくつか専門学校を見学したんですけど、koyoが一番ストイックな学校だと感じたので。

実際に入ってみてどうでしたか?

ハードロックを教えてくれた先生からは「音楽の道は厳しいから、あまりお薦めできないよ」って言われたし、親も「本当に大丈夫なの?」みたいな感じで、ほとんど自分の中の自信だけを頼りに入学したら、それが全然通用しなかったんです。入ったのはソングライティング科だったんですけど、もうできないことだらけで。ちゃんと挫折させてくれたというか、その挫折があったから今の自分が成り立っているんだと思います。

特に印象に残っている思い出はありますか?

ちょっと記憶を誇張してるかもしれませんけど、まだ入って2ヶ月くらいの頃、インプロヴィゼーションの授業で先生がいきなり譜面を書き始めて、このテーマでインプロしなさいって言われて、何もできなくて唖然としたことがあったんです。そこで何もできないのが一番恥ずかしいと思い知らされたのは、その後の音楽人生の重要なキーになっていったと思います。どこに飛び込んでいっても恥ずかしくないように練習するというのが、そこで身に付いたかもしれません。

インプロヴィゼーションしている瞬間が一番楽しい
そんな音楽をこれからもずっと続けていきたい

身に付けたかった知識をkoyoで学んで、自分の音楽の世界が広がったという実感はありましたか?

メチャメチャありましたね。音楽を聴いて楽しむだけじゃなくて、アカデミックな部分があると、初対面の人とも一緒に演奏できる。いろんな人と対話できるというのをkoyoで知ることができたし、ギターを弾く場も広がりました。特に、koyoを卒業してからはストリートで演奏するようになって、そこでは基本的にインプロなんですけど、知識があったおかげで知らない音楽でも食らいついていけるし、人脈が広がっていくのをすごく感じました。あと、卒業後すぐに作曲やアレンジの仕事も始めたんですけど、それもkoyoで学んだことで自信がついたからこそできたんだと思います。

そんな鷲山さんが所属するSuspended 4thは路上ライブで注目され、活動の幅を広げてきました。その様子は動画でも観ることができますが、インストゥルメンタルのジャムセッションがとてもスリリングです。

koyoにいた頃からセッションはよくやっていました。自分の場合は学外でやることが多かったです。よく分からないブルースのお店に飛び込んでセッションさせてもらったり。ストリートでやるようになってからも、ときどき外国の人が遊びに来て一緒に演奏したりするんですけど、言葉が通じなくても音楽では会話できるのがすごく素敵だなと感じます。楽しいっすね(笑)。それに、ストリートでは通行人の足をどれだけ止められるかが勝負なので、より伝わるような音の鳴らし方も身に付きました。

その一方で、ミニアルバム『GIANTSTAMP』で聴けるようなキャッチーなヴォーカル曲もSuspended 4thの大きな魅力です。

キャッチーな部分は絶対必要だと思っています。歌があればそれが一番耳に入るし、聴く人は言葉にフォーカスする。それも路上で気付いたことかもしれません。 だからこそ今歌うべきことは何か、みたいなところとは常に戦っています。

今後、アーティストとして目指すものは?

ずっと音楽をやり続けることですね。その中でも、インプロヴィゼーションが一番楽しいです。もちろん楽曲を演奏するのも好きですけど、インプロしている瞬間が最も裸の状態になれる。その楽しさを教えてくれたのがkoyoです……って、いい話の流れになりましたよね(笑)

Kazuki Washiyama
1995年生まれ。10歳の頃より津軽三味線を三橋美智一氏に師事し、舞台での演奏も経験。中学時代にド ラムとギターを始め、高校で本格的に音楽にのめり込む。同時期、作詞作曲やDTMにも手を伸ばす。その後、本校の前身である甲陽音楽学院名古屋校に入学し、ソングライティング科を専攻。卒業後は音楽クリエイターの事務所で作曲やアレンジの仕事を受けながら、2013年に結成したSuspended 4thの活動を続けて 現在に至る。

Suspended 4th サスペンデッド・フォース/サスフォー

Suspended 4th Profile

2013年結成。より自由な音楽を求めてライブハウスを抜け出し、ストリートライブに重きを置いて活動を続けており、路上ライブの常識を覆す圧倒的なライブパフォーマンスが話題を呼び、オンボーカルの楽曲からインストゥルメンタルのセッションまで熟し、多才なプレイで観る者を魅了し続けているロック・バンド。2022年4月1stシングル「KARMA」を発売し、7月20日に1stフルアルバム「TRAVEL THE GALAXY」をリリース。

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