マニピュレーターとは?
マニピュレーターとは、楽曲制作でミュージシャンが生演奏する以外のパートをプログラミング(打ち込み)によって制作し、ライブではそのオペレーションを行う人のことを指します。
シンセサイザーやサンプリングなどを駆使した楽曲作りでは、とても重要な役割を担う存在です。
マニピュレーターの活動スタイル
- 音楽制作会社、レコード会社、レコーディングスタジオ、ゲーム制作会社などに所属して活動する
- フリーランスのマニピュレーターとして個人で活動する
どちらの場合も、基本的にはバンドやアーティストをサポートする存在で、異なる複数のプロジェクトに携わって仕事をすることがほとんどです。
コンピューターの知識や技術は必要不可欠ですが、デジタルサウンドの組み合わせでどんな音を作れるかという、独特の音楽的な感覚が必要になります。
マニピュレーターの仕事内容
マニピュレーターの仕事内容は以下のようなものです。
- DAWソフトを使ってプログラミングやエディットを行い、楽曲の「打ち込み」パートを作成する
- シンセサイザーやサンプラーなどのデジタル機器を使って、ミュージシャンや編曲家、ディレクターがイメージする音色を作る
昔は、今と違ってシンセサイザーにプリセット音色が搭載されておらず、ゼロから音作りを行う必要がありました。そこでイメージ通りのサウンドを作るのは至難の技で、ミュージシャンに代わってシンセサイザーの音作りを専門的に担当したのがマニピュレーターという仕事の始まりです。
機材が発展し便利になった今では、特別な知識がなくてもある程度の音作りが可能です。そのため、マニピュレーターには「他の人には簡単に真似できないサウンドを作れる能力」が求められます。
また、生演奏では出せないサウンドをライブで再現するのもマニピュレーターの役割です。
具体的には、あらかじめDAWに用意しておいた音源を、ライブの進行に合わせてスタート/ストップさせることになります。
ステージ上のミュージシャンと呼吸を合わせて、タイミング良くオペレーションする必要があります。
マニピュレーターのやりがい・楽しさ
楽器を演奏して出せる音には限界がありますが、マニピュレーターの音作りには制約がなく、とても自由です。
様々な機材を駆使してイメージ通りのサウンドを作り出し、アーティストやバンドメンバーに満足してもらえたときには、大きなやりがいを感じます。
また、ライブの「間(ま)」をコントロールできるのもマニピュレーターの醍醐味です。
ある曲が終わって、拍手や歓声の後、次の曲が始まる。
そこで音源をスタートさせるとき、お客さんが盛り上がっている最高潮でスタートボタンを押すのか? それとも、ひと呼吸待って静かになってから次の曲に行くのか?
その瞬間をコントロールするのは、マニピュレーターの役目です。
絶妙なタイミングで曲を始めることができたときには、自分自身も感動しますし、それがマニピュレーターのやりがいに繋がります。
マニピュレーターになるにはどうすればいいの?
マニピュレーターになるためには、音楽大学や音楽系の専門学校などで、音楽一般やデジタルサウンドの基礎について学んでおくと有利です。
卒業後は、音楽制作会社、レコード会社、レコーディングスタジオ、ゲーム制作会社などで働くというのが一般的な流れです。
アレンジャーやキーボード奏者、レコーディングエンジニアなどがマニピュレーターの仕事を兼ねることもあるため、そうした職種に携わりながら技術を磨いていくこともできます。
マニピュレーターになるために必要な能力・資格
マニピュレーターは「楽器を持たないミュージシャン」と呼ばれることもあり、コンピューターやデジタル機器の操作技術はもちろん、音楽的感性も重要となる仕事です。
アレンジャーやミュージシャン、ディレクターのイメージを具体化したり、アイデアを出し合いながら曲を作り上げていく中では、コミュニケーション力や協調性も不可欠です。
ときにはマニピュレーター単独で曲作りをすることもあり、作曲・編曲の能力も問われます。
デジタル機材やパソコンを扱うのが好きなだけでなく、音楽全般に興味があり、好き嫌いなくいろんな音楽を楽しめる人は、マニピュレーターに向いています。
どんな楽器でも良いので自分で何か演奏できると、さらに良いです。
なお、マニピュレーターが使うパソコンやDAWソフト、シンセサイザー、音源類は日々進化しており、なるべく最新のものを使うのが一般的です。
そのため、機材に対する出費がかなり大きくなるのもマニピュレーターの特徴のひとつです。
マニピュレーターになりたい高校生へのメッセージ
マニピュレーターがライブの本番で行う仕事は「音源のスタートボタンを押すだけ」です。
しかし、事前にはいろいろな準備を重ね、ライブがスムーズに進むようにするために涙ぐましい努力をしています。
マニピュレーターはミュージシャンと違ってステージ裏にいることも多いですが、楽曲の1パートを担っているという意味で、気持ちは常にステージの上にあります。
マニピュレーターとして、観客に興奮と感動を届ける。そんなプロ意識と、ライブにかける情熱は、ステージで演奏しているミュージシャンと何ら変わりません。
そんなマニピュレーターという職業は、これからもどんどん発展していきます。
早い時期から楽器の仕組みや音楽の構造を学び、楽曲を良くするためにはどこでどんな音を鳴らせばいいかを理解すること。その努力を怠らない人こそが、マニピュレーターとして成功を掴むことができるでしょう。

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