ベーシストとは?
ベーシストとは、ベースギター(または単に「ベース」)を演奏するミュージシャンのことです。ベースプレイヤーと呼ばれることもあります。
ベースギターが使われる音楽ジャンルは多岐に渡ります。ロック、ポップス、ブルース、ボサノヴァ、ジャズ、フュージョン、ハードロック、へヴィメタルなど、これらのジャンルに合った演奏をするのが一流のベーシストと言えます。
ベーシストの活動スタイル
- プロダクションやレーベルに所属し、バンドやソロ、ユニットなど、何かしらの形でベーシストとしてデビューして活動する
- 自分以外のミュージシャンがライブやレコーディングをする際に、それをサポートする形でベースを弾く
- 音楽教室・音楽専門学校・音楽大学で、ベースの講師としてレッスンを行う
これらの中から、自分の得意ジャンルや専門ジャンルを見極めて、人それぞれのスタイルを確立していきます。
ベースギターは低音であまり目立ちませんが、曲のリズムやグルーヴを作る大切な「縁の下の力持ち」としての役割を果たします。
ベーシストは、自分が前に出て派手さを求めるより、バンドの柱となって曲を支える、なくてはならない重要なポジションなのです。

ベーシストの仕事内容
バンドのベーシストとして、またはアーティストのサポートミュージシャン、セッションプレイヤーとして、レコーディングやライブなどでベースギターを演奏するのが主な仕事です。
バンドでデビューするベーシストはほんの一握りですが、プロダクションやレーベルに所属して楽曲をリリースしたり、ライブ活動を行ったりします。メディアに露出して有名になる可能性もあります。
セッションプレイヤーとして、他のアーティストのレコーディングでベースを弾く仕事もあります。アーティスト本人だけでなく、アレンジャーやディレクターなどとコミュニケーションを取りながら、要求される演奏を的確にこなします。優れたテクニックとセンスが求められる、決して簡単ではない仕事です。そこからライブサポートの仕事につながることもあります。
アーティストのバックバンドに入ってサポートミュージシャンとしてベースを弾く場合、最初は単発のライブに呼ばれることが多いようです。そこで実力を認められると、今度はツアーメンバーに選ばれることもあります。
作曲・編曲など楽曲制作を行ったり、副業として音楽学校・音楽教室講師を務めながらライブ活動をしているベーシストもいます。
ベーシストのやりがい・楽しさ
DTMの技術が発達した今、ベースは機械でまかなうこともできるパートです。
それでも「この人にベースを弾いてほしい」と思ってもらえるように、常に自分と向き合って努力をしていかなければなりません。
機械にはできない音を出すこと、機械では出せない人間ならではの魅力を感じさせるオリジナリティや個性が求められます。
それらが合わさり調和した「音」を作り出す……それこそがベーシストの醍醐味ではないでしょうか。
バンドで活動する人なら、自分のバンドが成功して有名になるという夢を持てます。
プレイヤー個人として活動する人は、演奏だけでなく楽曲制作などもできるようになれば活躍の幅が広がります。
このように、ベーシストはとてもやりがいのある仕事です。
ベーシストになるにはどうすればいいの?
ベーシストになるための資格や試験などはありません。
自分はベーシストですと言えばベーシストになれてしまいますが、だからといって何の技術も無い人がベーシストの仕事をもらうことはできません。
ベースギターを演奏する技術・能力をきちんと身につけた上で、それを仕事に結びつけるにはどうすればいいのでしょうか。
- オーディションやコンテストを受ける
次世代のアーティスト発掘のために行われるオーディションから、ミュージシャンへの道をつかんだ人はたくさんいます。
専門学校が、業界と提携して行うオーディションやコンテストもあります。
オーディションに参加すること自体がとても貴重な経験になりますし、そこで認められると、プロダクションやレーベルに所属して活動できる可能性が広がります。 - アンサンブルの経験を積む
ベーシストは縁の下の力持ちなので、アンサンブルの経験が特に必要なパートです。
専門学校では、授業を通してアンサンブルの経験を積むことができます。
また、他のパートの学生と接することで、それぞれの知識や考え方を知ることもできます。 - プロの現場を経験する
専門学校ではプロのベーシストが講師を務めていることが多く、現場の知識やノウハウを直接学んだり、共演できたりします。
また、学校のスタジオはもちろんのこと、外部のライブハウスなどで実際に演奏する機会もあります。
在学中からプロの現場を体験したり、プロの話を聞くことはとても大切です。
できることをいくらやっていても、未知の領域に踏み入ることはできません。
でも、できないからといって悲観する必要もありません。
できないことをできるようにするための練習と、それを支えるメンタルこそがベーシストへの道です。
ベーシストになるために必要な能力・資格
ベーシストは「曲のリズムやグルーヴを作る大切な縁の下の力持ち」でしたね。
その立ち位置から、バンド全体を引っ張っていく柱となることがあります。
そのため、バンド全体を見渡す広い視野が求められます。同時に、メンバー同士をまとめるリーダーシップや、周りと調和をとっていける高いコミュニケーション能力も求められます。
だからといって目立つようなことはせず、あくまでも縁の下の力持ちとして働くことになりますので、うまく周りとのバランスをとる能力も必要です。
音楽のジャンルが多様化し、それぞれをミックスした新しい音楽も生まれている現在は、リズム感や楽曲の世界観を広げるためのアレンジ力・表現力など、より高い能力が求められるようになっています。
ロック、ポップス、ジャズ、吹奏楽、管弦楽など、それぞれの分野で相手の音を聴き分け、同調しながら、主張していくことができるベーシストが必要とされています。
また、最近は作曲家やアレンジャーが作ったトラックに、自宅でベースパートを録音して納品するスタイルも増えています。
そのため、レコーディングやプログラミングの知識・ノウハウを持っていると、活動の幅がさらに広がります。

ベーシストになりたい高校生へのメッセージ
ベーシストにとってもっとも大切なことは、チームの土台として立ち回れる心構えを持っているかどうかです。
ベーシストに向いている人の大事な要素を、3つ挙げてみます。
1.広い視野を備えた人
ベースは、リズムとサウンドの中心を担うとても重要なパートです。そのため、自然とバンドや楽曲全体を引っ張っていくポジションにつくことが多々あります。
バンドを支える柱として、周りを見渡せる広い視野を持つ必要があります。
2.リーダーシップがある人
縁の下の力持ちであるベースは、演奏以外でも他のパートを安心させる人間力が必要です。
周りとの調和を大切にし、チームを引っ張っていくリーダーシップが求められます。
3.コミュニケーションを大切にできる人
音楽は他のパートとの調和がとても大切です。
相手の音を聴き、呼吸を合わせるだけでなく、自分自身も主張する。
そのため、普段から挨拶などのコミュニケーションを大切にできる人は、ベーシストに向いています。
人に感動を与える仕事をする上で、「コミュニケーション」は避けて通ることができません。
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