スタントマンとは、舞台・映画・テレビドラマなどの撮影で、特に危険の伴うシーンや激しいアクションを専門に演じる人のことを指します。

スタントマンの活動スタイル

• スタントマンの事務所に所属する
  スタントを行うには特別な技術が必要なため、スタントマンやアクション俳優だけを集めた専門の事務所があり、そこに所属して活動するのが一般的です。

スタントマンには運動神経や基礎体力が必要で、日々トレーニングを行い、体を作り上げていかなくてはいけません。

アクションスクールや養成スクールでスタントに関する能力を身につけるだけでなく、危険が伴う仕事でもありますので、安全管理について学ぶことが重要です。

収入は経験や実績によって大きく異なり、難しいスタントほど1シーンあたりの報酬は高く設定されています。

スタントマンの主な仕事内容は、映画やテレビ番組、舞台、イベントで、多様なアクションや離れ業、つまりスタントを行うことです。

スタントには「ボディースタント」と「カースタント」があります。

ボディースタントは、文字通り身体を張ったアクションシーンを担当します。スタントマンは、モブ（群衆の一人）として、または俳優の吹き替えとして危険なシーンに登場します。

アクションのバリエーションも様々で、爆破や火事のシーンで火だるまになる「ファイヤー」や、落下、ダイビング、ワイヤー、殺陣、技斗などがあります。

カースタントは、自動車を猛スピードで走らせる、炎や爆発の中を走り抜ける、横転させるなど、車を使うアクションシーンを担当します。カースタントを行う人はスタントドライバーと呼ばれ、自動車やバイクの他にも水上アクションなどがあります。

これら以外にも、特撮のスーツアクターや、交通安全イベントのデモンストレーションなど、スタントマンの仕事内容は多岐に渡ります。

スタントマンの仕事の醍醐味は、高い技術と演技力を駆使して、他の人には決して真似できないスタントを実現させる点です。

ベテランのスタントマンになると、映画監督やプロデューサーから指名でオファーが来ることも多くあります。

「この演技はあなたにしかできない」と熱烈にお願いされることは、スタントマン冥利に尽きるでしょう。

技術を磨き続けてプロフェッショナルとして自己研鑽を続ければ、長く活躍できる職業なので、そのぶん大きなやりがいを得られます。

スタントマンになるために特別な学歴や資格などは必要ありませんが、スタントマン養成所や育成スクールに通うのが一番良い方法です。

なぜなら、アクションやスタントの技術を身につけること、安全管理について学ぶことが何よりも重要だからです。

それらを独学で身につけたり、普段の日常生活から学びきるのはほぼ不可能です。

実際にスタントマンとして活躍するためには、スタント事務所や芸能事務所のオーディションに合格し、マネージメント契約を結んで仕事を請け負うことが一般的な道筋です。
肉体的な能力や精神的な強靭さが求められる職業なので、実力次第で大きな仕事を勝ち取ることも十分に可能です。

スポーツ選手や格闘家並みの運動神経や筋力、体力がある人はスタントマンに向いています。

さらに、動体視力や瞬発力、柔軟性、平衡感覚、跳躍力、集中力など、スタントの種類に応じて様々身体能力が求められます。

常にどんなスタントにも対応できるように、完璧な状態の肉体と健康を維持し続けなければなりません。

仕事を離れた場所でも、日々自主的にトレーニングを重ねるなどの努力を惜しまない人だけが、スタントマンになる資格があると言えます。

スタントマンを志望する人は、アクションへの憧れが原点になっている人が多いようです。

中には、全く別の業界からスタントマンに転職する人もいます。
元々アスリートとして活躍していた人や、プロのドライバーとしての実績がある人は、運動能力や技術力を生かせるので、スタント未経験でもチャンスを掴みやすいでしょう。

ただし、スタント事務所のオーディションは狭き門なので、幼少の頃から体を鍛え、中学・高校あたりからスタント養成所に入ることを目指したほうがはるかに道は開けます。

そして、言うまでもなく、スタントマンは常に危険と隣り合わせの職業です。

一歩間違えれば大怪我や死につながる仕事も多く、常に緊張感の連続です。

そんな緊張に打ち勝つ強い精神力を持つことが、スタントマンとして何よりも大事だと言えます。