
レコーディングエンジニアとは?
レコーディングエンジニアとは、アーティストがスタジオでレコーディングを行う際に、音響機器を調整してより良いサウンドに仕上げる人のことを指します。
レコーディングエンジニアの活動スタイル
- レコーディングスタジオに所属する
- 音楽制作会社、レコード会社に所属する
- フリーランスのエンジニアとして個人で活動する
レコーディングの対象となる人間の声や楽器について熟知するほか、最低限の電気工学や音響工学などの専門知識も必要とされます。
アーティストや音楽プロデューサー、ディレクターらが求めるサウンドと音楽性を把握し、しっかりした信頼関係のもとで円滑なコミュニケーションをとる能力も求められます。
録音だけを担当する人を「レコーディングエンジニア」と呼び、その後の工程であるミックスを担当する人を「ミキシングエンジニア」と呼んで区別することもありますが、ここでは広い意味でのレコーディングエンジニアについて説明します。

レコーディングエンジニアの仕事内容
例えばCDを制作する場合、その工程は大きく次のように分かれます。
1.作詞・作曲・アレンジ
2.レコーディング
3.編集(ミキシング)
4.マスター音源制作(マスタリング)
5.加工・製品化
この中で、レコーディングエンジニアは、レコーディングからマスタリングまでの領域に携わります。
レコーディングの作業は深夜に及んだり、場合によっては泊まり込みになったりすることもあります。技術だけでなく根気と集中力も必要とする仕事です。
レコーディングエンジニアのやりがい・楽しさ
一流のレコーディングエンジニアとして活躍できるのは、類まれな音響センスを持ち、それぞれの楽器の音はもちろん、ミュージシャンによって異なる音色までも生かしきって音源を組み立てるという、特別な才能にあふれた人です。
エンジニアそれぞれに持ち味があり、誰が手がけても同じような楽曲になるということはまずありません。
自分の才能を発揮し、オリジナリティーを注ぎ込める音源制作は、レコーディングエンジニアにとって最大の魅力であり、醍醐味でしょう。

レコーディングエンジニアになるにはどうすればいいの?
レコーディングエンジニアは、社会に出てすぐに就ける仕事ではありません。
まず、レコーディングスタジオやレコード制作会社、エンジニアを派遣するプロダクションなどにアシスタントや見習いとして就職するのが一般的です。
先輩であるレコーディングエンジニアの手伝いをしながら、そのテクニックや知識を吸収し、現場で何年も経験とスキルを磨いた後に、晴れてレコーディングエンジニアへの道が見えてきます。
アシスタントとはいえ、様々な音響機器の操作技術や、パソコンとDAWによるデジタルサウンドの処理技術が求められるため、専門学校で学ぶことは王道と言えます。
その際に、本格的なレコーディング設備が備わった学校を選ぶと、現場で即戦力として活躍できる技術を学べます。
こうした学校は、レコーディングスタジオやレコード会社とのコネクションも強く、紹介や推薦によって就職できるチャンスも広がります。
レコーディングエンジニアになるために必要な能力・資格
音楽制作の世界は、実力と経験が最も従事されます。
専門学校で音響機器やデジタル処理の技術をしっかり身につけていれば、資格や免許を取得する必要はありません。
ただし、技術力の証明になる検定は存在しており、就職の際に有利な要素ではあります。機会があれば取得しておくのもよいでしょう。
- ProTools技術認定試験
社団法人日本音楽スタジオ協会による認定試験です。ほぼすべてのレコーディングスタジオで使われる音楽制作ソフトウェア、ProToolsの技術をランク形式で判定します。 - サウンドレコーディング技術認定試験
社団法人日本音楽スタジオ協会による認定試験です。音響の理論やレコーディング技術など、レコーディングエンジニアとして欠かせない知識や技術を評価します。

レコーディングエンジニアになりたい高校生へのメッセージ
レコーディングエンジニアを目指していても、最初はアシスタントや見習いからのスタートです。
アシスタントは主に雑用をこなしながら、自分のスキルを磨くための勉強を両立し、レコーディングエンジニアとしてデビューできる日を目指します。
しかし、実際にレコーディングエンジニアとして活躍できるのは、ほんの一握りの人だけです。
金銭的にも体力的にも苦しいアシスタント生活を何年も続けた末に、一人立ちできずに辞めていく人もいるのが厳しい現実です。
今はパソコンやスマホでも音楽を作れる時代ですが、品質の高い本格的な楽曲を生み出すには、レコーディングエンジニアの存在がとても重要になります。
将来、音楽の作り方がさらに変わっても、レコーディングエンジニアの仕事がなくなることは考えにくく、年齢を重ねても活躍し続けることができる職種と言えるでしょう。

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